旅
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映画 わが母の記 を観に行ってきました。

昭和の日本を舞台に、母親に対するしがらみを抱えた小説家と老いていく母親との交流を中心に描いた家族ドラマです。
演出のこだわりが半端ないですね。
意表を突くような位置から人物を捉えるカメラアングル。
ふんだんに挿入される田舎の美しい風景・陰影を強調した絵画的な映像。
穏やかなクラシック音楽のBGM。
そしてそのBGMをも途中でブツ切りにする潔すぎる程の場面展開。
小気味良いセリフの掛け合い。
タイトルから地味な映画もしくは“泣き”の映画のイメージを持って観始めると、芸術性志向の強さに映画好きな人ほど驚かされるでしょう。
今作は井上靖の自叙伝的な小説が原作で、私は原作は読んでいませんが、同じく自叙伝的小説の【あすなろ物語】を読んでいたので、その続編としてストーリーを捉え鑑賞しました。
シンプルなストーリーながらも、役所広司・樹木希林をはじめとする実力派俳優陣の演技は素晴らしく、静謐で情緒豊かな雰囲気を最後まで堪能することができました。

ただ、原作小説のセリフをそのまま用いているためか、老人介護・親子愛というリアルなストーリー内容にも関わらず、セリフがどこか浮世離れしている感が否めず、感情移入の度合は薄かったです。
同じ 井上靖原作×原田眞人監督×役所広司主演 作品でも、昨年放映されたテレビドラマ【初秋】のほうが、突拍子もないストーリーで感情移入する必要も無かっただけに、私は好きですね。
ということで
自己満足度 : 8点/10点満点
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映画 アーティスト を観に行ってきました。

サイレント映画からトーキー映画への過渡期のハリウッドを舞台に、スター俳優の栄枯盛衰を描いたサイレント+モノクロ作品です。
全編を通して流れるBGMのクラシック音楽が素敵ですね。
モノクロの映像もクリアで美しかったです。
舞台が1930年頃ということで、一見当時のハリウッド産サイレントを模した作りですが、カメラワークに独特の美意識が感じられ、やはりフランス映画 という印象です。
主人公・ヒロインとも表情が豊かで魅力的でした。
そして主人公の相棒(?)である犬の名演も凄い。
ストーリー自体はシンプルですが、じんわりと哀愁と優しさが染み入ってくるような内容です。
セリフが聞けないだけに、観る人が想像を巡らし、やがて感情移入していく… 昔の人はこのように心から映画を楽しんだのでしょうね。
サイレントは、昔テレビでチャップリンの作品を少し見ただけの私には、新鮮に感じられました。
もう少しロマンチックに引っ張ってほしかったですね。
ということで
自己満足度 : 8点/10点満点
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映画 ヘルプ ~心がつなぐストーリー~ を観に行ってきました。

1960年代のアメリカ・ミシシッピーの田舎町を舞台に、黒人メイド達と、彼女達が置かれている過酷な現状を社会に訴えるべく本を執筆する白人女性との交流を描いたヒューマンドラマです。
キャストが魅力的でしたね。
主役のジャーナリスト志望の白人女性を演じたエマ・ストーンも良かったですが、メイド役の黒人女性達がとても表情豊かで素敵でした。
彼女達の人間味溢れる演技に、思わず画面に引き寄せられました。
人種差別という重くなりがちなテーマですが、コミカルな場面も結構あるので、息を詰める必要も無く楽しく鑑賞することができます。
かつ登場人物達各々の人を想う様がしっとりと丁寧に描かれていて、胸が熱くなりました。
予定調和で終わらず、ビターながらも新たな人生の展望を予感させるラストも好感が持てますね。

ただ、演出がありきたりというか、いかにもハリウッド産ヒューマンドラマという印象で、無難にまとまり過ぎている感はあります。
そして本編には関係ありませんが、邦題のサブタイトル。
せっかく良質な映画なのに、タイトルがこのようなセンスでは… なかなか鑑賞意欲を誘われないのではないでしょうか?
ということで
自己満足度 : 8点/10点満点
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映画 サラの鍵 を観に行ってきました。

ナチスドイツ占領下のパリで過酷な運命に翻弄された少女と、現代において彼女の足跡を辿ろうとする女性ジャーナリストを描いたヒューマンドラマです。
じんわりと心に染み入ってくる作品でした。
戦時中、パリで行われたユダヤ人迫害。
突如の事態にとっさの行動に出て、人生の歯車が狂ってしまう少女。
身内の関わりへの疑念を抱き、真実を求め奔走する女性ジャーナリスト。
過去と現代とが交錯し、過去のシーンでは戦時下における極限状態の緊迫感、現在のシーンでは大人が抱えている問題のほろ苦い雰囲気が醸し出されていました。
ただ、その度合が濃すぎず薄すぎず、絶妙。
リアルなストーリーなのに、どこか詩的でもあります。
それは、美的センスを感じさせる映像とカメラワーク・主張し過ぎず映像に寄り添うかのような上品なBGMによる演出効果が大きいからでしょう。
さすがはフランス映画 といったところでしょうか。

ストーリーの先が読めず、悲しいドラマ性も相まって最後まで見入ってしまいました。
奇跡的な展開を期待していると、少し裏切られたと感じるかもしれません。
観る人によっては、中途半端な作品 と映るかもしれません。
ですが、重すぎず軽すぎず、ストーリーを堪能し雰囲気を味わう、映画ならではの魅力に富んだ、大人のための良い作品だと思います。
ラストのさりげない感動がまた素敵ですね。
ということで
自己満足度 :9点/10点満点
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